「iichiko story ep.4『思いはどこへ駆けていく』」でキャラクター原案を手がけたのは、『機動警察パトレイバー』『究極超人あ〜る』で知られる漫画家・ゆうきまさみさん。一度は会社員になるも夢を追いかけ新たな一歩を踏み出す主人公・環をはじめ、魅力的なキャラクターが光る本作。その制作の裏側を伺いました。


大工仕事のアニメーションが素晴らしかったです。体や手の動きを再現するのは難しいですからね。おじいさんの声優は、大塚芳忠さんですよね。ファンなので、嬉しかったです。
実は、広告アニメーションのキャラクターを作るというのは、はじめての仕事だったんです。だからこそ戸惑うこともありましたが、こうして素敵なアニメーションに仕上がってホッとしています。
脚本では主人公は男性だったのですが、女性に変えさせていただきました。大工という仕事をするのはほとんどが男性。それだとちょっと面白くない。力仕事だから大変かもしれませんが、女性が大工になりたいという希望を持ってもいいんじゃないかなって。
キャラクター原案づくりでいえば、連載の漫画やアニメーションであれば、ある程度個性が強いキャラクターでも、回を重ねるごとに馴染んでくるんですよね。でも、「iichiko story」のような単発のアニメーション作品だと、見ていて違和感を覚えてしまうのかなと。なので、それほど個性的なキャラクターにはしていないんです。
でも、絵的には自分のキャラクターにはなっていると思いますし、自分の漫画を描くときもこのくらいの出力でやっていますので、ふだんと変わらず取り組めたのかなとは思いますね。

大事にしているものは、「PILOT」のシャープペンシルです。デビュー間もなくからなので、もう40年くらい、この1本を使っています。さすがに中の部品がくたびれているのか、ときどきストンと芯が出ちゃうんです(笑)。一応予備は持っていますけど、まだまだ現役です。
基本的に道具はあまり選ばないのですが、手に馴染んでいるかどうかが大事。形だけじゃなくて、重さとか、握り具合とか。感覚的なところなのですが、いつもの道具じゃないと気分が乗らなくなっちゃうんですよ。
もうひとつはネームやラフを描くときに使っている「ツバメノート」。これも、もう30年くらいはお世話になっていますね。ペンの滑りと抵抗の塩梅がちょうどいい。消しゴムをかけても毛羽立ちませんし。先日、週刊ビッグコミックスピリッツの質問コーナーで「国宝にしたいもの」というお題があって、このツバメノートを紹介したんですよ。


まず、こんなに昔から、たくさんポスターを作っていたことに驚きましたね。写真がすごくいいと思っていて、次はどんなデザインが出てくるのかいつも楽しみにしています。
