ササノマリイさん
インタビュー
プロデューサー/シンガーのササノマリイさんが楽曲を担当。本作のために書き下ろした楽曲の制作プロセスやアニメーションファンとしての必聴ポイントを伺いました。
今回は音楽をテーマにしたストーリーでしたが、ミュージシャンであるササノさんはどのように受け止めたのでしょうか。
ササノ:登場人物の人生が凝縮された脚本で、感情移入してしまいました。一度はバンドを解散しプロになる夢を諦めたものの、もう一度みんなでやってみようという展開は、音楽の理想的なあり方のひとつだなと思いました。
僕はシンガーソングライターとして活動していますが、音楽そのものは本当に自由。知り合いにも仕事をやりながら週末ライブを企画したり、バンドをやっている人はたくさんいます。みんなすごく楽しそうなんですよね。
アニメーションのなかでは、3人がお酒を交わすシーンが印象的でした。バンドを解散してもいい関係がつづいているんだなあって。音楽って、やらなきゃいけない、やめなきゃいけないというものではない。仲間がいても、ひとりでも、「音を楽しむ」ということ。彼らの会話を聞きながら「うんうん」って頷いてしまいました。
楽曲は書き下ろしていただいた新作になりますが、制作のプロセスをお伺いできますか?
ササノ:最初にいただいたのは、久住さんの脚本と、絵コンテアニメーションでした。まだセリフは入っていなかったのですが、おおまかなストーリーの映像の構成から、楽曲をつくっていきました。
基本的には映像に音を当てていくのですが、流れに合うように展開を考えていきました。楽曲にアニメーションを合わせたと思わせるくらい、完璧にしたいと思って取り組みました。
ある程度デモが出来上がったらプロデューサーの方に送って、フィードバックをいただきました。静かにするところ、盛り上げるところなどの指示をいただいて、反映してという作業を何度か繰り返して仕上げていきました。
アニメーションと音楽の制作が同時進行だったので、映像が仕上がってくるのをリアルタイムで見られたのがとても印象的でした。こういう感じでアニメーションができていくんだと、感動しましたね。
今回の楽曲『アンコール』のこだわりポイントを教えていただけますか?
ササノ:楽曲に関しては、アニメーション版と配信版でミックスが異なります。通常、楽曲をリリースするときはエンジニアさんに音のバランスや音質を整えてもらうのですが、本作「iichiko story ep.3『三つの音の形と行方』」のアニメーション版は、エンジニアさんを通さずに自分で録音してミックスしています。
自主制作のときから自分で最終工程までやっていたこともあり、ある意味ササノマリイとして純度の高い仕上がりになっていると思います。配信版は声や楽器などの音源を全てバラバラにして、エンジニアさんに組み立てもらうので、また違った印象になるはず。そんな違いも楽しんでもらえたら嬉しいですね。
ササノマリイ『アンコール』
2023.04.26 Digital Release
配信リンク:https://smar.lnk.to/wrDAxs
「iichiko story ep.3『三つの音の形と行方』」のために書き下ろした楽曲『アンコール』を4月26日より配信決定。
ササノマリイ(ささの・まりい)
プロデューサー/シンガー。2014年より活動開始。エレクトロニカを基調としてロック、ポップス、クラブサウンドなどを独自に昇華したサウンドと、温かいメロディーの中に辛辣な言葉を載せたリリックで数々の楽曲を発表。
キャストインタビュー
声優を担当したのは、春日つぐる役に小林裕介さん、ひろ役に白井悠介さん、ツッチー役に天崎滉平さん。インタビューでは、本作に込めた思いに加え、声優として活躍するまでの若き頃のエピソードも伺いました。
脚本・久住昌之さん
インタビュー
前作に引きつづき、脚本を手がけたのは漫画家でミュージシャンの久住昌之さん。長年音楽に携わってきた久住さんだからこそ描ける、音楽との向き合い方、バンドでしかなしえない仲間との絆の素晴らしさを伺いました。最近ハマっているという〈いいちこ〉の楽しみ方も必読です。
スタッフインタビュー
アニメーション制作陣 インタビュー
〈いいちこ〉駅貼りポスターを起点に繰り広げられる物語を、アニメーションで表現する「iichiko story」。その根幹をなす映像制作に携わった制作陣にもインタビュー。クリエイションの舞台裏を伺いました。