制作スタッフインタビュー

『iichiko story ep.2「野の花は海へ」』のアニメーション制作に携わった、監督・菅原優太さんと
若手アニメーター・久保山誠士さんに、クリエイションの裏側を伺いました。

— 久住さんの脚本を受けて、アニメーション制作に
どのように取り組んだのでしょうか?

菅原: 久住さんからは3本の原作候補をいただいたのですが、いいなと感じていた父娘のストーリーに決まりました。モデルとなる舞台に伺い、イメージに合うロケーションの候補出しを行いました。そして実際に足を運び、シーン選定を行い、絵コンテ作業に取り掛かりました。

同時に、『iichiko story』のコンセプトでもある「ポスターからはじまる物語」に「父と娘の温かな物語」をどのように組み込むか検討したのですが、ストーリーの軸となるポスターの選定は難しかったですね。

— 作中に登場する〈いいちこ〉のポスターの印象をお伺いしたいです。

菅原: 『iichiko story』はポスターからはじまる物語ということで、どのように作中で見せるかがカギでした。今回は2種類のポスターを使わせていただきましたが、すずかの学生時代は「野の花は、自分で咲く。」ですが、こちらは自分の意志を持って自立しなさいというイメージがすぐに浮かびました。

現在のシーンで選んだ「小さな私が海に立つ。」は、こちらも自立のイメージですが、広い世界に自分が存在しているという、一枚目とは異なる印象があります。それぞれのポスターの発表に10年の間隔が空いていおり、アニメーションの世界ともうまくリンクしたと思います。

また、過去と現在を表現していくなかに、すずかと父親の距離をどのように縮めていくか、居酒屋での会話劇をシンプルにどのように表現していくか、限られた尺の中でテンポ感よく見せられるかなど、制作上の課題は多くありましたが、〈いいちこ〉の世界観を崩さず表現できたと思います。

— 今回はチーム編成にもこだわりがあったと伺っています。

菅原: アニメーションスタッフを構成するうえで、老舗スタジオの「スタジオ・ライブ *注1」のお力をお借りしました。『iichiko story』は、20代から30代の若者に向けて発信していきたい作品だとお聞きしたので、アニメーションプロデューサーの茂木さんがスタジオ・ライブの神志那弘志社長と相談し、作画スタッフに関してはキャラクタ―デザインは22歳、原画制作も20〜30代のスタッフを起用して若い感性を取り入れました。

動画、仕上げパート全般は、韓国の作画大手会社の「DRMOVIE *注2」に依頼しました。さらにDRMOVIEは今作のために劇場版の作画スタッフを用意して下さいました。DRMOVIEの担当のキム・カンウさんには感謝です。美術もベテランのスタジオカノンの柴田千佳子氏、撮影、3DCGは制作本体であるチップチューンさんに本領を発揮してもらいました。さらに質感ブラシに定評のある福田直征氏にも特殊効果として参加していただきました。

— 最後に『iichiko story ep.2「野の花は海へ」』の
制作にまつわるエピソードをお伺いできますか?

菅原: 〈いいちこ〉は私が子どもの頃からある身近なお酒、昭和を駆け抜けたお酒の代表です。令和の時代に入り、あらためて〈いいちこ〉の伝統的な味を若い方々に向けて発信できたらと思って取り組みました。

久保山: グラスの中の〈いいちこ〉が揺れているシーンはこだわったところなので、ぜひ見ていただきたいですね。まだ自分は若手ということもあり、キャラクターをデザインする機会が巡ってくることは滅多になく、また〈いいちこ〉のポスターに勇気づけられるすずかの姿と自分が重なる瞬間もあり、大変貴重な経験をさせていただきました。

*注1
スタジオ・ライブ=1976年に芦田豊雄が設立した老舗のアニメスタジオ。作画中心のプリプロダクションとしても現代表の神志那弘志氏を中心に活躍中。主にサンライズ(現バンダイナムコフィルムワーク)、マッドハウスなど作品に参加。

*注2
DRMOVIE=1990年に設立の韓国のアニメ制作会社。日本ではマッドハウスをはじめワーナー・ブラザースなど世界のアニメの制作に関わる韓国アニメの大手制作会社。

菅原優太(すがわら・ゆうた)

1968年生まれ。フリーランス映像クリエイター。20年間にわたり制作兼演出・作画で経験を積み、 現在はクリエイティブ企画・営業・プロデュースを手掛ける。その傍らでアニメ制作のショート作品を中心に携わる。

久保山誠士(くぼやま・せいじ)

2000年生まれ。神志那弘志氏率いる老舗アニメーション作画スタジオ「スタジオ・ライブ」所属。 マッドハウス、スタジオヴォルン、ラパントラック等の作品に原画や作画監督として精力的に参加。

久住昌之

脚本・久住昌之さん インタビュー

自他共に認める〈いいちこ〉ファンだという久住昌之さん。アニメーション作品としての印象や、脚本の原点となった出来事といった制作の裏側から、30年以上にわたって愛飲してきたという〈いいちこ〉の思い出について語っていただきました。

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三森すずこ 新垣樽助

キャスト インタビュー

声優には、三輪すずか役に三森すずこさん、父役には新垣樽助さんを起用。数々の名作で演じてきた2人は、どのように『iichiko story ep.2「野の花は海へ」』と向き合ったのでしょうか。脚本の印象やアフレコで感じたこと、そして、〈いいちこ〉にまつわるエピソードを伺いました。

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ササノマリイ

ササノマリイさん インタビュー

映像作品に彩りを与える楽曲を制作してくれたのは、プロデューサー/シンガーのササノマリイさん。脚本と絵コンテを元にイメージを膨らませ、独自の世界観を作り上げる、ササノさんの作曲プロセスについて語っていただきました。

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